介護事業 処遇改善加算 申請 開業経営支援
(1) 介護事業 福祉・介護職員処遇改善加算とは
厚生労働省は、介護サービス・障害福祉サービスに従事する介護職員の賃金の改善にあてることを目的に介護職員処遇改善加算をH24年度より新たに設けました。
また令和元年10月よりは、介護職員特定処遇改善加算も始まりました。
ここでは、 介護職員処遇改善加算についてご説明します。
(2) 介護事業 処遇改善加算の区分別加算率
サービス区分 | 介護職員処遇改善加算の区分に応じた加算率 | ||||
---|---|---|---|---|---|
加算Ⅰ | 加算Ⅱ | 加算Ⅲ | 加算Ⅳ | 加算Ⅴ | |
訪問介護 | 13.7% | 10.5% | 5.5% | 加算(Ⅲ)により 算出した単位 ×0.9 |
加算(Ⅲ)により 算出した単位 ×0.8 |
夜間対応型訪問介護 | |||||
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | |||||
訪問入浴介護 | 5.8% | 4.2% | 2.3% | ||
通所介護 | 5.9% | 4.3% | 2.3% | ||
地域密着型通所介護 | |||||
通所リハビリテーション | 4.7% | 3.4% | 1.9% | ||
特定施設入居者生活介護 | 8.2% | 6.0% | 3.3% | ||
地域密着型特定施設入居者生活介護 | |||||
認知症対応型通所介護 | 10.4% | 7.6% | 4.2% | ||
小規模多機能型居宅介護 | 10.2% | 7.4% | 4.1% | ||
看護小規模多機能型居宅介護 | |||||
認知症対応型通所介護 | 11.1% | 8.1% | 4.5% | ||
介護老人福祉施設 | 10.2% | 7.4% | 4.1% | ||
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | |||||
短期入所生活介護 | |||||
介護老人保健施設 | 10.2% | 7.4% | 4.1% | ||
短期入所療養介護(老健) | |||||
介護療養型医療施設 | 2.6% | 1.9% | 1.0% | ||
短期入所療養介護(病院等) | |||||
介護医療院 |
(3) 処遇改善加算の算定要件
ここでは、処遇改善加算を取得するための要件をご説明いたします。
(ⅰ) 処遇改善加算Ⅰの算定要件
処遇改善加算Ⅰを取得するには、以下の1~6の全て満たしていることが必要です。
① 処遇改善計画を立案している、または既に処遇改善を行っており、適切に報告していること
② 労働基準法等の違反、労働保険の未納がないこと
③ 職場環境等要件(※)を満たしていること
計画書の届出の日の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するものを除く。)および当該介護職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知していること。
④ キャリアパス要件Ⅰを満たしていること
(1) 介護職員の任用の際における職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めること
(2) (1)に掲げる職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めていること
(3) (1)および(2)の内容について職業規則などのもので書面で明確にし、周知していること
⑤ キャリアパス要件Ⅱを満たしていること
(1) 次の(ァ)または(ィ)の条件を満たした計画を作成していること
(ァ) 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供または技術指導等を実施(OJT、OFF-JT)するとともに介護職員の能力評価を行うこと
(ィ) 資格取得のための支援(金銭、休暇の取得など)を行うこと。
(2) 上記の内容をすべての介護職員に周知していること
⑥ キャリアパス要件Ⅲを満たしていること
(1) 次の(ァ)(ィ)(ゥ)のいずれかの昇給の仕組みを導入していること。
※ 単一の基準ではなく、複数の基準をかけ合わせた仕組みでも可。
(ァ) 経験年数や勤続年数に応じて昇給する仕組み
(ィ) 資格取得(または保有)により昇給する仕組み
(ゥ) 人事評価や試験結果により昇給する仕組み
(2)上記の内容をすべての介護職員に周知していること。
(ⅱ) 処遇改善加算Ⅱの算定要件
処遇改善加算Ⅱを取得するには、以下の以下の1~5の全て満たしていることが必要です。
① 処遇改善計画を立案している、または既に処遇改善を行っており、適切に報告していること
② 労働基準法等の違反、労働保険の未納がないこと
③ 職場環境等要件(※)を満たしていること
計画書の届出の日の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するものを除く。)および当該介護職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知していること。
④ キャリアパス要件Ⅰを満たしていること
(1) 介護職員の任用の際における職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めること
(2) (1)に掲げる職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めていること
(3) (1)および(2)の内容について職業規則などのもので書面で明確にし、周知していること
⑤ キャリアパス要件Ⅱを満たしていること
(1) 次の(ァ)または(ィ)の条件を満たした計画を作成していること
(ァ) 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供または技術指導等を実施(OJT、OFF-JT)するとともに介護職員の能力評価を行うこと
(ィ) 資格取得のための支援(金銭、休暇の取得など)を行うこと。
(2) 上記の内容をすべての介護職員に周知していること
(ⅲ) 処遇改善加算Ⅲの算定要件
処遇改善加算Ⅲを取得するには、以下の以下の1~3の全て満たしていることが必要です。
① 処遇改善計画を立案している、または既に処遇改善を行っており、適切に報告していること
② 労働基準法等の違反、労働保険の未納がないこと
③ 職場環境等要件(※)を満たしていること
計画書の届出の日の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するものを除く。)および当該介護職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知していること。
さらに、次の4又は5のどちらかを満たしている事が必要
④ キャリアパス要件Ⅰを満たしていること
(1) 介護職員の任用の際における職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めること
(2) (1)に掲げる職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めていること
(3) (1)および(2)の内容について職業規則などのもので書面で明確にし、周知していること
⑤ キャリアパス要件Ⅱを満たしていること
(1) 次の(ァ)または(ィ)の条件を満たした計画を作成していること
(ァ) 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供または技術指導等を実施(OJT、OFF-JT)するとともに介護職員の能力評価を行うこと
(ィ) 資格取得のための支援(金銭、休暇の取得など)を行うこと。
(2) 上記の内容をすべての介護職員に周知していること
(ⅲ) 職場環境等要件とは
キャリアパス要件と職場環境等要件の違いは、その役割にあります。
キャリアパス要件は、キャリアパス制度を定めることが役割です。
職場環境等要件は、そのキャリアパス制度を介護職員が正確に辿れるようにサポートする制度を定めることが役割といえます。
具体的に職場環境等要件とは、「① 資質の向上」「② 労働環境・処遇の改善」「③ その他」の3つに分類することができます。
① 資質の向上
① 資質の向上は、職員一人ひとりが、事業所が求めているスキル・能力・専門性を習得することできるよう、研修制度を設定することが大きな目的となっています。
研修制度に関して、厚生労働省は以下のような例を挙げています。
○ 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する者への実務者研修受験支援や、より専門性の高い介護技術取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援(研修受講時の他の介護職員の負担を軽減するための代替職員確保を含む)
○ 研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
○ 小規模事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
○ キャリアパス要件に該当する事項(キャリアパス要件を満たしていない介護事業者に限る)
○ その他
② 労働環境・処遇の改善
② 労働環境・処遇の改善は、介護職員が業務に全うでき、長年いまの職が定着できるような職場環境を構築することを目的としています。
労働環境改善の例として、厚生労働省は以下を挙げています。
○ 新人介護職員の早期離職防止のためのエルダー・メンター(新人指導担当者)制度等導入
○ 雇用管理改善のため管理者の労働・安全衛生法規、休暇・求職制度に係る研修受講等による雇用管理改善対策の充実
○ ICT活用(ケア内容や申し送り事項の共有(事業所内に加えタブレット端末を活用し訪問先でアクセスを可能にすること等を含む)による介護職員の事務負担軽減、個々の利用者へのサービス履歴・訪問介護員の出勤情報管理によるサービス提供責任者のシフト管理に係る事務負担軽減、利用者情報蓄積による利用者個々の特性に応じたサービス提供等)による業務省力化
○ 介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットやリフト等の介護機器等導入
○ 子育てとの両立を目指す者のための育児休業制度等の充実、事業所内保育施設の整備
○ ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
○ 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化
○ 健康診断・こころの健康等の健康管理面の強化、職員休憩室・分煙スペース等の整備
○ その他
③ その他
③ その他は、資質の向上や職場環境・待遇の改善には含まれないが、事業所にとって必要である制度を構築したい場合、その他に分類されます。
厚生労働省は以下のような例を挙げています。
○ 介護サービス情報公表制度の活用による経営・人材育成理念の見える化
○ 中途採用者(他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等)に特化した人事制度の確立(勤務シフトの配慮、短時間正規職員制度の導入等)
○ 障害を有する者でも働きやすい職場環境構築や勤務シフト配慮
○ 地域の児童・生徒や住民との交流による地域包括ケア―の一員としてのモチベーション向上
○ 非正規職員から正規職員への転換
○ 職員の増員による業務負担の軽減
○ その他
(4) 賃金改善を行う職種
(ⅰ) 賃金改善の対象となる職種
対象となる職種は、以下のいずれかとなっています。
処遇改善加算を分配してよい職種
° ホームヘルパー(サービス提供責任者を含む)
° 生活支援員
° 児童指導員
° 指導員
° 保育士
° 世話人
° 職業指導員
° 地域移行支援員
° 就労支援員
° 目標工賃達成指導員
° 訪問支援員
° 介護職員
※ 指定基準において置くべきとされている従業者の職種に限らず、直接処遇職員(医療職を除く)に該当する従業者は対象になります。
※ 特定加算を算定する場合は、上記いずれの職種を中心として従業者の処遇改善が図られていれば、加算の一部を事務職や医療職等の従業者に充てることは可能です。
※ 法人代表者は対象となりません
※ 法人役員であっても、該当職種に従事しており、役員報酬とは別に賃金が払われていれば、その賃金に対する改善分については加算の充当が認められます。
(ⅱ) 賃金改善の対象とならない職種
処遇改善加算を分配してはダメな職種
・ 管理者
・ サービス管理責任者
・ 児童発達支援管理責任者
・ 看護師
・ 理学療法士
・ 作業療法士
・ 栄養士
・ 調理員等の専門職
・ 事務員
(ⅲ) 兼務職種の場合の取り扱い
指定基準上、直接処遇職員との兼務が認められている場合に限り、加算による賃金改善対象として差支えないものとされています。
具体的には以下の通りです。
① 訪問系事業所
○ サービス提供責任者
ホームヘルパーに含む扱いとします。
○ 管理者
ホームヘルパーと兼務可につき,直接処遇職員して従事いれば対象となります。
(ⅳ) 役員への分配について
役員への分配可否については、自治体によって差があります。
役所の一例を以下に記します。(名介)
・役員については、基本的に分配の対象とはなりません。
・代表取締役、代表社員、代表理事、取締役、業務執行社員、専務、常務は分配出来ません。
・例外的に使用人兼役員の場合には分配が出来ることがあります。
詳しくは所属自治体に確認されることをお勧めします。
② グループホーム
○ 管理者・サービス管理責任者等共に直接処遇職員と兼務が可なので、直接処遇職員として従事いれば対象となります。
(5) 介護職員特定処遇改善加算
令和元年10月よりは、介護職員特定処遇改善加算も始まりました。
以上が、ひまわり事務所が障害福祉事業に特化した事務所と言われる所以です。
障害福祉事業特化型事務所の名古屋ひまわり事務所
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